町家ショップらりぃ参加店について
京町家、町家というと何を思い浮かべられますか? お決まりの格子や虫籠(むしこ)窓ですか?
京町家は本来、職体一致のための建物です。つまり、家族やその従業員と共に住み、
かつ仕事をしたり作業をしたりするための家なのです。
一時の町家ブームとやらのお蔭で、町家を物を売るためだけの陳列場として、
あるいは「ちょっとお洒落〜」「かわいい〜」お店として、流行りものに敏感な人たちに受けている感があります。
ある面、マスコミや他地域のお方なんぞが作り上げた姿・イメーヂもあるのかもしれません。
今回、「洛中洛外 風散歩 町家ショップらりぃ」に参加するお店は、一部店舗を除いて、そこで暮らしながら
お商売をしています。そう、職住一体の生活をしているのです。
言い換えると、営業活動の傍ら家庭生活も営んでいます。
ですからもちろん、お町内や(元)学区のお役も廻ってきます。お地蔵さんのお世話だってやっています。
氏神さまのお祭りの日はお店を臨時休業してしまうかもしれません。
でも、これこそが平安の昔から京都人が積み重ねて来た京都の暮らしなのです。
町家ブームの一方で、どんどん町家が壊されてガレーヂやいまどきの建売住宅になっていっています。
悲しいことですが現実です。壊されないまでも、倉庫代わりや朽ちるがままに放置されている町家も少なくありません。
今回のらりぃでは、そんな町家に手を入れて改修・改装し、素敵なお店になった姿も見てほしいと思います。
一軒、二軒と職住一致の町家のお店がオープンすることで町が活気づき、
昼も夜も人が居る、安全・安心な町になって行きます。らりぃしながらそんなことへも思いを馳せていただけると幸いです。
…点と点とが繋がって線となり、やがて町になる。
ふつうの町家、ふつうの暮らし。
観光地でない京都を歩いてください。洛中洛外 風散歩。